五・一五事件の意味

 半藤さんは語る。
 五・一五事件が起きてから、陸軍・海軍も含め軍部に逆らうと命が危ないと感じた人は多く、マスコミも右へならへをしていった。
 昭和7年5月15日に、犬養毅首相が射殺され明治以来の政党政治が息の根を止められ、斎藤実海軍大将が首相になり、軍人が政治や言論の上に君臨する一種の「恐怖時代」がはっきりとはじまったという意味で、大きく舵を切ったのがこの事件だ。