小野路散策

 我が家から歩いて30分ほどの処に旧「小野路宿」がある。
 府中、八王子、東京、鎌倉などへ通ずる要所だったところで、近藤勇が京へ行く前には剣術指南に来ていたという家が今も残っており、小島資料館=私営として旧名主時代の資料が保存整理されている。1時間半ほども20?当主の説明を受けた。天保13年に建てられた母屋は敷地900坪、建坪90坪あり、その庭では近藤勇らが剣術指南をしたと言う。
 この小島家は名主として慶応2年「農兵隊」の隊長として村の治安に当たっており、自由民権運動には参加していない。


 その直ぐ近くにある小野神社は小野タカムラを祀っている由緒あるものだ。ここの半鐘が逗子で見つかっているという。
 その訳はこちら⇒http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E9%87%8E%E7%A5%9E%E7%A4%BE_(%E7%94%BA%E7%94%B0%E5%B8%82)
 小野神社から山道を300メートルほど登ると六地蔵が置かれている。よく見ると7つの地蔵があり、更に首のない一体がある。

 そこから程なく萬松寺に着く。ここには明治4年に開かれた小野郷学の仮校舎の一つが置かれた所で、昭和20年5月25日米軍機の落とした焼夷弾が本堂を焼いてしまった。土蔵の壁には焼夷弾の跡が残り、昭和54年に新築された本堂の階段下には錆びた焼夷弾が置かれていた。

 萬松寺から200メートル程引き返し、急な坂道を登って行くと牧場や畑が広がりビニールハウスにはトマトが植えられ、若い青年の運転するトラクターとすれ違う。

 登り路が終わり、道は下りに入ると20-30坪程に区切られた「市民農園」には野菜作りに精を出す人が数人農作業をしている。
 明治初年に消失し廃寺となった清浄院跡と謂われる所を過ぎると左に行く八王子旧道がある。小野川を渡ると小野路宿へ出る。
 府中旧道、さらに布田旧道を見て、現在整備中の小野路へ戻る。
 この行程を民権資料館の職員の説明を聞きながら散策した。
 小野路から大山旧道を辿って我が家へ帰ってきたのだが、約6キロ歩いた計算だ。山道あり、峠越えありで、久し振りに汗をかきながらの散策だった。